探究学習のすゝめ

探究学習のスペシャリストを目指す初心者がアウトプットする場として。

他者との違いを受け入れる

 

探究の本や、『「みんな違ってみんないい」のか?』といった本を読んでいて、これからの時代に必要な大きな資質のひとつは「違いを受け入れ、議論し合い、よりよい社会を作っていく力」なのだろうと思うことが増えました。

 

昨今、SNSを見ていると、埋められない分断があちこちに見られます。

 

島国根性、村社会、という狭い日本社会の中で、いや社会よりも狭い世間の中で生きている我々にとっては、どうしても「他人と違うこと」や「自分(近しい人)と違う人」に不寛容になりがちです。

 

ちなみに「社会」と「世間」の違いはこちらの本に詳しく書いてあります。

『「空気」を読んでも従わない』(鴻上尚史/著)

 

とはいえ、アメリカの大統領選を見ていると、あちらでも分断や対立が頻発しています。もはや世界的に、他者に不寛容な、不穏な空気を感じます。

 

『「みんな違ってみんないい」のか?』では、倫理学的に主流となっている「功利主義(最大多数の最大幸福を目指す考え方)に反し、「正しさはみんなで作っていくもの」なのだと主張しています。これからの時代に必要な考え方だなと私は思います。

 

そして、探究学習は、その力を育てる格好のチャンスです。

 

探究学習の事例を見ていると、問いを立てるフェーズにおいて、課題に対する賛否両方の立場を客観的に把握することで、より説得力のある主張ができるようになる、とよく書かれています。

 

そこでグループワークを取り入れることによって、常にクラスメイトと議論し、さまざまな立場の意見を知った上で、自分の問いを深めていくことができるのです。

 

探究は一人でもできますが、やはり学校で探究学習を行う最大のメリットは、たくさんの他者と関わりながら探究を進めていけること。

これに尽きると思います。

 

学校で他者と関わった経験や意見を交わした経験は、必ず社会に出ても役に立ちます。

というか、社会に出たら議論し対立することばかりです。

 

社会人になると当たり前のように自分の意見を求められるようになるのに、学校でその練習をしないままでは、やはり学校から社会への橋渡しがうまくいかなくても不思議ではありません。

 

今の子どもたちが、学校でより良い学びを経験し、社会で生きていきやすい人生を送れるよう、我々大人も努力していかなければな、と思います。

(アラサーという若さの半人前が何を言ってるんだという感じですが笑)