探究学習のすゝめ

探究学習のスペシャリストを目指す初心者がアウトプットする場として。

「問いを立てる」ということ

 

探究学習の流れとして、

①課題の設定

②情報の収集

③整理・分析

④まとめ・表現

としてよく挙げられていますが、このサイクル通り進めると、単なる調べ学習になるのでは?と思われる方もいるかもしれません。

 

探究学習の進め方についてよくわかっていなかった頃の私もそうでした。

 

実際、自身の高校時代の研究論文を作品集で見返してみると、「これはただの調べ学習だな(苦笑)」としか思えない出来でした。

 

『探究的な学びデザイン 高等学校 総合的な探究の時間から教科横断まで』では、次のように述べています。

 

大事なことは、探究サイクルを1周して調べ学習を終えた次のサイクルで探究的な学びが始まるということなのです。調べ学習はスタートであり、課題設定の前段階として興味があるテーマについて調べ学習を行うことは有効なのです。自分で決めたテーマについて、興味の赴くままに調べていると、必ず新たな疑問が出てきます。そこから探究的な学びが本格的に始まるのです。

 

文科省の学習指導要領に載っている探究的な学びのスパイラルの図は、関連図書に掲載されているのを何度も見てきました。

 

でも、この図がどういうことを意味しているのか、今やっとわかったのです。

 

文部科学省 2018:12)

 

私が高校時代に取り組んだ研究論文も、2年近く一つのテーマに向き合ってきたことが原因だろうと思います。(そういうカリキュラムだったから仕方ないとも言えますが)

本来なら、この程度(笑)の調べ学習なら1年で終わらせて、そこからさらに疑問や課題を見つけてもう1年をかけて探究するのが理想だったのです。

 

探究学習は、1年やそこらで完結するものではありません。

まず1年かけて調べ学習のサイクルを通して課題を見つけ、次の1年でまたその課題に対して探究を進め、その次の1年で・・・というように、高校3年間じっくり時間をかけて取り組むべき性格のものなのです。

 

 

参考文献:

『探究的な学びデザイン 高等学校 総合的な探究の時間から教科横断まで』(酒井淳平/著)

 

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