探究学習の進め方は、個人だけで進めるよりも、グループで進める方が効果的と言われます。
過去の記事でも同じようなことを書きました。
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多くの本でこの説を読んだとき、私は当初、個人ごとにテーマを決めるのではなく、グループ単位以上で同じテーマを扱うべきなのかと勘違いしていました。
しかし、本質は違います。テーマは個人ごとに違っていても、グループ単位で同じでも、どちらでもかまわないのです。
グループで行う、「共同体」として探究学習を行うメリットは、主に2つあります。
ひとつは、他者と対話することのメリット。自分の考えをアウトプットすることで整理できたり、グループの他のメンバーから意見やアイディアをもらったりして、より考えを深めることができます。
ふたつめは、「共同体」の中での自分の役割、居場所を作ること。
プロジェクト型学習を中心に教育を行っているアメリカの公立学校High Tech Highでは、どんな家庭環境の子でも社会での自分の役割や居場所を見出すことができることを目指してプロジェクトを推進しているといいます。
人間は、集団社会でしか生きていけません。
河野哲也(2021)は、次のように述べています。
私たちの社会生活はほとんどが共同作業です。個々人が競争することで、よい業績が生まれ、社会貢献につながるような仕事が一体どれくらいあるでしょうか。むしろ必要なのは、それぞれの個人をうまく協働させて、全体として優れた業績を生み出す組織を作ることです。
確かに資本主義社会なのでまだまだ競争原理はあちこちに燻っていると思います。
ですが、これからの時代、競争だけで社会が維持できるとは思えないのも現実です。
一人ひとりが役割や居場所を見つけることができるような探究学習が当たり前になるように、頑張らねばと思います。
参考文献:
『問う方法・考える方法 「探究型の学習」のために』(河野哲也/著)
『「探究」する学びをつくる 社会とつながるプロジェクト型学習』(藤原さと/著)