探究学習の情報収集において、「現場を知る」というのもまた重要です。
百聞は一見にしかず、というように、いくらネットや書籍で調べても掴めない「肌感覚」は、現場に行ってみることでしか分かりませんよね。
大学の授業ではよくフィールドワークが行われています。
私も大学1年頃、基礎教養(必須だが自由選択の科目群)の授業で、多分福祉の授業だったと思いますが、任意参加のフィールドワークに行ったことがあります。多摩川河川敷のホームレスの方に食料を配布する団体の活動に参加する、という内容でした。
大学1年生が全学部共通で受けられる基礎教養の授業で、任意参加のフィールドワークにわざわざ行く人は、ほとんどいませんでした。当日、集合場所となった京急線の駅に集まった学生の参加者は私を含め2人。大教室がいっぱいになるほどの受講者がいる授業なのに、です。(笑) もったいないなあ、と思いました。
団体の事務所で配布する食料を1人分ずつ袋にまとめ、ホームレスの方を探して河川敷を練り歩きました。
お礼を言って食料を受け取る人、話しかけても反応がない人、段ボールハウスの中から出てこない人…など様々。
その中で一際印象的だったのが、「社会に縛られたくなくて、好んでホームレス生活をしている」という高齢の夫婦。「住居」もそれなりにしっかり作られており、にこやかに話す姿は、「ホームレス」のイメージとはかけ離れていて、衝撃だったのを覚えています。
このように、現場を見ないと分からないこともある、と言いたかったのですが、この体験談にオチはありません。(笑)
とはいえ、高校の授業でフィールドワークを実践するのは、先生方の負担も大きいのではないかと思います。
最近はエスカレーター式の学校でなくても、大学と提携しているところがあるので、そういう場合は提携先の大学と共同で、フィールドワークの場などを設定できると、探究の幅が広がるかもしれません。