探究学習のすゝめ

探究学習のスペシャリストを目指す初心者がアウトプットする場として。

フィールドワークの醍醐味

 

探究学習の情報収集において、「現場を知る」というのもまた重要です。

 

百聞は一見にしかず、というように、いくらネットや書籍で調べても掴めない「肌感覚」は、現場に行ってみることでしか分かりませんよね。

 

大学の授業ではよくフィールドワークが行われています。

 

私も大学1年頃、基礎教養(必須だが自由選択の科目群)の授業で、多分福祉の授業だったと思いますが、任意参加のフィールドワークに行ったことがあります。多摩川河川敷のホームレスの方に食料を配布する団体の活動に参加する、という内容でした。

 

大学1年生が全学部共通で受けられる基礎教養の授業で、任意参加のフィールドワークにわざわざ行く人は、ほとんどいませんでした。当日、集合場所となった京急線の駅に集まった学生の参加者は私を含め2人。大教室がいっぱいになるほどの受講者がいる授業なのに、です。(笑) もったいないなあ、と思いました。

 

団体の事務所で配布する食料を1人分ずつ袋にまとめ、ホームレスの方を探して河川敷を練り歩きました。

 

お礼を言って食料を受け取る人、話しかけても反応がない人、段ボールハウスの中から出てこない人…など様々。

 

その中で一際印象的だったのが、「社会に縛られたくなくて、好んでホームレス生活をしている」という高齢の夫婦。「住居」もそれなりにしっかり作られており、にこやかに話す姿は、「ホームレス」のイメージとはかけ離れていて、衝撃だったのを覚えています。

 

このように、現場を見ないと分からないこともある、と言いたかったのですが、この体験談にオチはありません。(笑)

 

とはいえ、高校の授業でフィールドワークを実践するのは、先生方の負担も大きいのではないかと思います。

 

最近はエスカレーター式の学校でなくても、大学と提携しているところがあるので、そういう場合は提携先の大学と共同で、フィールドワークの場などを設定できると、探究の幅が広がるかもしれません。

 

 

参考文献から広がる情報収集

今日は軽〜く、情報収集のコツ・入門編。

 

新書やビジネス書、論文などを読むとき、巻末や章末についている参考文献や引用文献の一覧を見たことはあるでしょうか。

 

探究学習や調べ方について本を読んでいるとよく出てくる情報収集の仕方が、この「参考文献」に登場する本を読むこと。

 

これは言われるまでもなく私もよくやっているので、身をもっておすすめできます。

 

1冊読むだけで、その何倍もの関連書籍を知ることができるのですから、使わない手はありません。

 

より多くの情報を仕入れることで新しい発見や疑問、構想が生まれ、またアイディアの種が増える。もちろん、思考を整理するためにはインプットするだけでなくアウトプットしたり、寝かせたりすることも必要ですが、手始めに情報収集するには一番の近道かもしれませんよ。

 

私自身も、今は毎日、探究学習についての本を読み漁っては、日々新たに読みたい本がどんどん増えています。

 

Googleブックスという神ツール

 

昨日の記事で、『アウトプット大全』という本を紹介しました。

 

この中でも、私にとっての最大の学びとなった「Googleブックス」という機能を紹介します。

 

大学時代、Google scholarにはお世話になりました(こちらは学術論文が検索できるサイトです)。

 

なんとまさかのGoogleブックスというものまで、ありました。

本の内容に書いてあるキーワードまで、検索できる神ツール。

関連書籍を、調べ放題です。天国。

 

例えば、探究学習についてまだまだ調べ足りない私が、ググってみた結果。

 

 

一部、既に読んだ本もありますが、まだまだ見たことがなかった本がたくさん引っかかってきました。

 

そりゃあ、区立図書館の蔵書レベルでは、探しきれないわけです。

(良さそうな本を見つけても、区立図書館にないと、国会図書館か都立図書館に行くか、買うしかなくて、ハードルが高いんですけどね笑)

 

でも、調べものをするときは、まずここでググってみると、いい発見があるかもしれません。お試しあれ。

オススメ本 2

本日はこちら。

『学びを結果に変える アウトプット大全』(樺沢紫苑/著)

 

皆さんは、勉強しようと思ったら、まず何から始めますか?

教科書や参考書の復習?

 

多くの人は、何かしらを読んでインプットすることから始めるのではないでしょうか。

かくいう私も、今まではとにかく本を多く読むことに意識が向いていました。

 

本書の中で指摘されているように、何かを学ぼうとしたらインプットばかりに力を注いでいたし、新しいことにチャレンジすることにも億劫でした。

 

でも、本書にはインプットよりもアウトプットに時間をかけることの重要性が、ありとあらゆる観点(話す・書く・行動する)で力説されています。

 

インプットするだけでは自己満足にしかならず、現実世界を変えることはできないし、何事も挑戦しなければ自己成長にはならない、ということを思い知りました。

考えてみれば当たり前のことなんですけどね。

 

とはいえ、「月3冊読んでアウトプット0冊」よりも「月1冊読んでアウトプット1冊」の方が効果的、というのは目からウロコでした。

 

読んでいくうちに、何か実践しなきゃ!と思わせられる良書です。逆にアウトプット大全を読みながら何もしないでいられるのはすごいかもしれない(笑)

 

これからは読んだ本はどんどん感想を書いて残してみよう、とこうして朝の通勤時間でブログを書いています。少なくともこれで今月は「アウトプット2冊」達成です。

 

実践は、力なり。

 

読んでみたいと思ったら、ぜひ。

Amazonのリンク:

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オススメ本 1

私の勉強の一環として、おすすめ本を紹介していこうと思います。

手始めの目標はハードル低く、月1冊以上から。

 

まずはこちら。

『頭の良い人がやっている「調べ方」究極のコツ 仕事も人生もうまくいく! 大人の探究学習』(齋藤孝/著)

 

探究学習に使えるネタがないか、と手に取って読み始めました。

高校生にも十分読める内容ですが、どちらかというと社会人向けの仕事に活かせる指南書となっています。

 

実践に使えそうなアイディアを、2つ紹介します。

①専門知識を身に付けるためには、まず新書3冊を読むこと。(できれば違う著者のを選ぶ)

この本で紹介されていたかどうかは忘れてしまいましたが、最近読んだ何かの本で、「新書マップ」というのを知りました。

キーワードで検索するだけで、関連する書籍情報がたくさん出てくるので、手始めの情報収集にはもってこいのサイトです。

shinshomap.info

 

②検索ワード磨きゲーム

授業などチームで探究する際に有効な手段ですが、ある難しいお題に対して、チーム内でそれぞれが検索し、内容を人に説明できるようにまとめる練習。

フィードバックとして、それぞれがどのような検索ワードを使ってその情報に辿り着いたのか、を学び合うことが目的です。

自分には思いつかなかった検索ワードを思いついた人から、学ぶことで、検索ワードを磨き、検索の精度を上げていくことができる。考えただけで、ワクワクする試みです。

 

 

おすすめポイント

ひとつひとつのテーマが短いので読みやすく、気軽に楽しんで読めます。

巻末に、偉人の情報収集エピソードがついているのが特に面白い。

 

 

興味があったら、ぜひ読んでみてください。

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視野を広く持つ

探究学習指導を仕事にすると決めてから、まず手当たり次第に本や新聞で情報収集にあたりました。

 

ざっと読んだ本や新聞はこんな感じ。

・『中学生・高校生のための探究学習スキルワーク 6プロセスで学ぶ』(桑田てるみ/編)

・『問いをつくるスパイラル 考えることから探究学習をはじめよう!』(日本図書館協会図書館利用教育委員会図書館利用教育ハンドブック学校図書館(高等学校)版作業部会/編著)

・『頭の良い人がやっている「調べ方」究極のコツ 仕事も人生もうまくいく!大人の探究学習』(齋藤孝/著)

・『社会とつながる探究学習 生徒とともに考える22のテーマ』(全国民主主義教育研究会/編)

・『世界一やさしい問題解決の授業 problem solving kids』(渡辺健介/著)

・『マイテーマの探し方 探究学習ってどうやるの?(ちくまQブックス)』(片岡則夫/著)

・教育新聞

・月刊 先端教育

 

似たような本や記事を数多く読んでいくと、同じ主張をしていることが多々あります。

中でも印象に残ったのが、問いを立てる時や情報収集に役立つ、情報収集の仕方。

 

オールドメディアをはじめ、幅広い情報源を活用する

生徒が何か調べようとすると、どうしてもすぐになんでもググりがちです。

もちろんググるのも悪くはないのですが、それだけで情報収集をよしとしてしまうのは危険です。

なぜなら、ネットの情報は一次情報を引用したり脚色したりした二次情報、三次情報のことがほとんどだからです。情報のソースが明確でないものは、別の情報源をあたって信憑性を確認必要があります。

 

そこで活用できるのが、本や新聞、テレビなどのオールドメディア。

ネットやSNSだと、自分が興味を持ったテーマに関する話題しか目に入りにくいですが、新聞やテレビは否応なしにいろいろなテーマのニュースが目に入ってきます。

 

探究学習では、目先のテーマだけに夢中になって取り組むのはナンセンス。

できるだけ多くの情報源に触れることで、新たな気づきを得られれば、より思考を深めたり、今まで思いつかなかったような発想や疑問を思いつくことができます。

 

ここであえて「幅広い情報源」と書いたのは、オールドメディアに限らず、ネットやYouTubeなどの情報も気づきを得るためには使える手段だということを伝えるためです。

 

たとえば私自身は本や新聞、NHKのニュースばかりしか見なかったのですが、夫が見ていたYouTubeの解説動画で大阪万博の問題点が触れられていて、興味のなかった万博のことも、探究のテーマとして面白いのではないかと思うようになりました。

 

情報の信憑性を担保するためにも、新たな気づきを得るためにも、日頃から探究に役立ちそうな情報にアンテナを張ることが、探究への第一歩なのです。

 

 

 

 

初めまして、探究

 

2022年改訂の学習指導要領で、「探究学習」が重視される流れが強まりました。

 

ただの「探究学習」に加え、各教科ごとにも「古典探究」や「理数探究」といった「探究」と名のつく科目が増えたようです。

 

つまり、今までの知識詰め込み型教育だけでなく、自ら考え、問題解決を目ざし、生きる力を身につけさせる、という方針に切り替わりつつあるということ。

 

平成の時代に学生時代を過ごした私には、今のカリキュラムには驚きの連続です。

と同時に、こんなにもその後の人生の可能性を広げる授業を受けられることが、羨ましい限り。生きるのが大変になってきているということでもあるんですけれどね。

 

ところがいきなり探究学習といわれても、学校の先生も生徒も、今までほとんどそういう授業をしてこなかったわけですから、なかなか授業を進めていくのも難しいわけです。

 

私はもうすぐ、とある探究学習を支援するサービスを運営する会社に転職し、学校サポートの仕事を始める、バリバリの探究学習初心者です。

 

探究学習を指導するためには、「指導者自らが探究者となる」。これが一番大切だと信じて、自分がどのように探究学習の方法を学んでいったか、少しずつお役立ち情報をアウトプットしていくブログにしたいと思います。